ETFとは (株式用語解説)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
  • ETF [読み:イーティーエフ]
  • ETFの同義語 [上場投資信託、上場投信、指数連動型上場投資信託]

祐作:先輩、ETFってなんですか?

兜:ふむ、ETFとは、日経平均株価や東証株価指数などの株価指数に連動することを目的として運用される投資信託のことだな。

 ETFは通常の株式と同じように証券取引所の立会時間中は、東証などの市場でいつでも売買が可能だぞ。個人投資家でも証券口座を持っていれば売買ができるんだ。

祐作:ETFのメリットってなんでしょう?

兜:個別の株を買うことでは出来ないような、分散投資によるリスク低減効果が期待できるよ。例えば日経平均に連動するETFを買うことは、日経平均を構成する225銘柄に分散投資することと同じことになるからね。仮にそのうちの1社が倒産したとしても、全体に与える影響は限定的だ。倒産リスクに強いといえるね。

祐作:なるほど。では、ETFはどれくらいの資金があれば購入できるんですか?

兜:ある日経225のETFは1単位から買うことができる。最近は日経平均が9000円くらいで推移してるから、「9000円×1」で9000円くらいあれば購入することができるよ。
あと、普通の株を買うのと同じように証券会社に売買手数料を払わないといけない。

祐作:それなら一般人にも購入することが可能ですね。ところで、ETFを買ったままずっと保有しておくと配当金はもらえるんですか?

兜:日本株連動のETFは投資信託の一種なので配当ではなく「収益分配金」がもらえる。収益分配金は「ファンドが受取る配当金から信託報酬などの経費を差し引いた残り」になる。ちなみに信託報酬とはファンドの運用手数料のことだ。

祐作:信託報酬はどれくらいですか?

兜:日本市場の株価指数に連動するETFだと一般的に0.2%~0.3%が多いな。

祐作:そうですか。でも、「収益分配金」がもらえるんならETFを買ってもいいかな。これから先、日本市場全体の景気がよくなると思えば、日経225のETFは買いですよね?

兜:そうだな。日本経済が発展すると思えば買えばいい。逆にダメになると思えば貸借銘柄に指定されているETFなら空売りすることもできるぞ。

祐作:おお、ETFも空売りが可能なんですか。

兜:うん、日本株連動のETFは、ほとんどが信用取引貸借銘柄だからね。でも、ETFを空売りすると個別株を空売りするのと同じように貸株料を取られるし、逆日歩が発生することもあるよ。あと空売りしたまま決算期をまたぐと収益分配金を証券会社に支払わないといけないな。

祐作:そうなんですか。それだと、日経225miniを売建した方がいいかもしれませんね。

兜:日経225miniなら売建しても貸株料は取られないし、逆日歩が発生することもないし、収益分配金もないからね。あと、手数料はバカみたいに安いし。
 日経225miniは建玉を放置しているとSQ算出日に強制決済されるのが難点だなあ。でも、それをいったらETFだって制度信用取引で空売りしたら6カ月以内に決済しないといけないわけだし大差はないか。

祐作:他にETFが日経225miniより優れている点はないんですか?

兜:ETFは日経225miniより税制面で優遇されているんだ。ETFの譲渡益は株式と一緒で申告分離課税の対象となる。2011~2013年の間は、「株やETFの売買利益に対する税率は10%」となっている。

祐作:なるほど。

兜:しばらくは税金の優遇措置があるから、長期投資家で「この先の日本経済の回復を信じてる」って人は、日経平均もしくはTOPIXに連動するETFを現物取引で買えばいいんじゃないかな。

祐作:そうですね。

兜:あと、最近では日本株連動のETFだけでなく、下記のようなETFも存在する。

また、金価格連動のETF原油価格連動のETFもある。ETFの仕組みは株式だけでなく、商品(コモディティ)にも広がりをみせているんだ。

祐作:なるほど。

兜:ちなみに、ETFとは「Exchange – Traded Fund」の略称だ。 証券取引所(Exchenge)で取引可能(Traded)な投資信託(Fund)ということ。
 また、ETFは「株価指数連動型上場投資信託」とか「上場投資信託」とか「上場投信」とも呼ばれるから覚えておくといいさ。

▼ETFの解説 まとめ

  1. ETFは、日経225(日経平均株価)やトピックス(東証株価指数)などの株価指数や、金などの商品価格の指数に連動する投資信託である。
  2. ETFは、株価指数がこの先高くなるとおもったら買い、安くなると思ったら売ればよい。
  3. ETFは、株式と同じように売買単位がある。
  4. ETFは東京証券取引所や大阪証券取引所などの株式市場に上場している。そのため、ETFは証券口座を持っていれば誰でも売買ができる。
  5. ETFは、現物取引および信用取引が可能。なお、発注方法および手数料等については通常の株式取引と同様の取扱になる。
  6. 日本株連動のETFは、保有したまま決算期をまたぐと「収益分配金」がもらえる。
  7. 日本株連動のETFは、信用取引で信用買いすることも空売りすることもできる。
  8. 日本株連動のETFは、空売りしたまま決算期をまたぐと「収益分配金」分を証券会社に支払わなくてはならない。
  9. 日本株連動のETFは、通常の株式と同じように、今のところ証券税制で優遇措置がある。
  10. ETFには株式と同じように「証券コード」が存在する。
  11. 商品価格連動のETFも証券口座があれば売買できる。商品先物取引口座を開設する必要はない。

▼関連カテゴリ

ETF関連記事

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする