プロパスト、民事再生法申請(倒産)。しかし上場維持めざす‎

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5月14日、プロパスト【ジャスダック:3236】が東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表しました。

いわゆる倒産です。負債は約554億です。

通常は、上場企業が民事再生法の適用を申請し受理されると、その日から一ヶ月程度で上場廃止になります。

しかし、プロパストの津江真行社長は14日、都内で記者会見し、民事再生手続きを利用しながら上場を維持する方針を発表しました。

ジャスダックを運営する大阪証券取引所の基準により、今後1カ月間の上場時価総額が5億円以上になればプロパスト株の上場は維持されます。

再建計画では、債務免除や債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)で債務超過を解消し、スポンサーに増資を引き受けてもらう予定ということです。

民事再生手続きを申請した企業が上場維持を目指すのは、プロパストが日本初となります。

以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

2010/05/14(金)

総合不動産会社
ジャスダック上場
株式会社プロパスト
民事再生法の適用を申請
負債554億4700万円

TDB企業コード:983992681

「東京」 ジャスダック上場の(株)プロパスト(資本金41億6945万円、渋谷区恵比寿1-30-1、代表津江真行氏ほか1名、従業員38名)は、5月14日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

   ~~~中略~~~

 こうした状況を打開すべく、2008年12月19日には大幅な人員削減を中心とした経営合理化策を発表していたものの、資金繰り悪化に歯止めがかからず、期限の到来した建設代金や借り入れ元利金および税金などの支払いがなされず、2009年5月期第2四半期決算短信および四半期報告書における継続企業の前提に関する事項が注記されたことに加え、2009年3月31日に2009年5月期第3四半期の決算短信を発表すると同時に同四半期報告書において監査法人から監査意見不表明を受けており、動向が注目されていた。

 その後も、棚卸資産の評価損や一部プロジェクトの売却損など大幅な損失処理により2009年5月期は268億円の最終赤字となり、債務超過に転落。こうしたなか、棚卸資産(不動産)、賃料債権、預金債権等の差押を受けた結果、事業の継続が困難となったことから民事再生手続きにより、再建を図ることとなった。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報でプロパストの2010年5月期の中間決算を見るに、プロパストは総資産261億円に対して、自己資本(株主持分)が-358億円とマイナスです。自己資本がマイナスな時点ですでに買ってはいけない銘柄です。

有利子負債は498億円で総資産の金額を超えており、超巨額といえます。また、利益剰余金も-441億円と大きくマイナスになっています。利益剰余金が大幅にマイナスになっている点も、買ってはいけない銘柄の典型例といえます。

営業キャッシュフローは2009年5月期の本決算で378億円のプラスとなっています。また、同時期の投資キャッシュフローは50億円のプラスです。

しかし、同時期の財務キャッシュフローが469億円のマイナスとなっています。

財務が悪いので当然といえば当然ですが、継続企業の前提に関する重要な疑義が付いています。

プロパストは2010年5月期の中間決算が出た時点ですでに、「買ってはいけない銘柄」になっていたといえるでしょう。

なお、今年に入ってからの上場企業の倒産は、1月の日本航空に続いて、5月のCREに続いて、プロパストが3社目となります。

▼2010年度 倒産上場企業の一覧

会社名 証券取引所と証券コード 倒産の形態 倒産時の負債 倒産の日付 (2010年) 上場廃止日 (2010年)
日本航空 東証1部 : 9205 会社更生

日本航空が約6715億7800万円

日本航空インターナショナルが約1兆5279億1900万円

ジャルキャピタルが約1226億8400万円

3社合計の負債は約2兆3221億8100万円

1月19日 2月20日
CRE(コマーシャル・アールイー) ジャスダック : 8866 民事再生 約150億円 5月6日 6月7日
プロパスト ジャスダック : 3236 民事再生 約554億 5月14日 未定

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