2009年分から譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

2012.2.26 Last Update!

確定申告する株式の配当金について、2009年分からは、総合課税を選択するかそれとも申告分離課税を選択しなければなりません。

2008年分までは配当金について確定申告をして税金を納める場合、総合課税だけでした。2009年分から申告分離課税を選択して申告することができるようになりました。

そして、2009年分からは申告分離課税を選択すると、株の譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています。この記事では、2009年から導入された「譲渡損失と配当金の損益通算」という制度について解説します。

▼用語解説

※総合課税・・・配当を給与など他の所得とあわせて所得税の計算をする課税制度。配当金については、2008年度分までは、確定申告すると原則として総合課税となっていた。

※申告分離課税・・・株取引で発生した利益は、給与や不動産などの所得と分離して課税されます。そのことを申告分離課税といいます。2009年分から「株取引で発生した利益」だけでなく、配当金も申告分離課税を選ぶことが可能になりました。

※配当金にかかる税率・・・2009年~2013年の間、配当金にかかる税率は10%です。2014年1月1日以後は20%になる予定です。

なお、譲渡損失とは「株の売買で発生した損失」です。もっと平たくいうと、「株の売買で損したお金」

▼譲渡損失と配当金の損益通算とは?

譲渡損失と配当金の損益通算とは、「株の売買で発生した損失」と「配当金で発生した利益」の損益を通算し、確定申告して税金を納めることです。株取引で損失が出ている場合は、配当金によって発生した利益にかかる税金を減らすことができます。

例:2011年1月1日~12月31日の間に100万円の譲渡損失があり、同じ期間に配当金を50万円受取った場合。

まず、配当金に対しては税率が10%なので、50万円×10%=5万円の源泉徴収が行われています。

2012年に確定申告をする際に申告分離課税を選択すると、「譲渡損失と配当金の損益通算」の制度が利用でき、譲渡損失100万円のおかげで、配当金の50万円の利益を打ち消すことができます。結果、源泉徴収された配当金への課税額5万円が還付されます(返って来ます)。

残った「譲渡損失50万円」は確定申告で次年度に繰り越すことが可能です。

また、2010年度分からは、「源泉徴収ありの特定口座」において、譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています。

特定口座を使った譲渡損失と配当金の損益通算については、下記リンク先の記事をクリックして下さい。

「2010年分から特定口座で譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています」

ただし、申告分離課税を選択することで、「譲渡損失と配当金の損益通算」が可能となりますが、この場合、配当控除の適用を受けることができなくなります。

「配当控除」ついては、下記リンク先のstaygoldさんの記事が参考になるので、興味がある方はクリックして下さい。

配当控除・・・株をはじめる前に読むブログ

なお、確定申告には上場株式配当等の支払通知書の添付が必要ですから、無くさないようにしましょう。

最後に、「配当金への課税」については、auカブコム証券の解説が判りやすいので、抜粋しておきます↓

~~~~~~~~~~~~~~~

上場株式等の配当課税

■ポイント(1)
平成25年まで、配当金・分配金に関する税率10%が適用されます。

※平成26年以降は、20%の税率が適用されます。
金額の多少にかかわらず源泉徴収だけで納税を済ませることができる「申告不要制度」が適用されています。
























 

平成21年~25年

平成26年~

所得税率

7%

15%

住民税率

3%

5%

合計

10%

20%

(1) 上場株式等の配当が対象となり、未上場株式等は対象外です。
(2) 発行済株式総数の5%以上保有の個人株主の配当金は適用外となり総合課税です。

※上場株式等に係る配当所得につき総合課税の対象となる大口株主等の用件について、発行済株式等の総数等に占める保有割合が、現行の5%以上から3%以上に引下げられました。この改正は、平成23年10月1日以降の支払いを受けるべき配当等について適用されます。

■ポイント(2)
確定申告を行うことで、上場株式等の譲渡損失との通算や、配当控除を受けることが可能です。
(ただし配偶者控除等に影響を及ぼす場合があります)

上場株式等の譲渡損失との通算(申告分離課税)
・配当金・分配金は、確定申告で申告分離課税を選択することにより、上場株式等の譲渡損失と損益通算が可能です。
→ 平成21年から

・特定口座(源泉徴収あり)で配当金自動受取サービス(株式数比例配分方式)を選択すると、株式等との譲渡損失と損益通算が可能になります。
→ 平成22年から

配当控除(総合課税)
配当金・分配金は、確定申告で総合課税を選択することにより、配当控除の利用が可能です。配当金に一定率を乗じた金額が所得税額や住民税額から控除されます。

※外国株式や上場不動産投資信託、信用取引の配当金相当額には配当控除が適用されません。
※総合課税の税率や配当控除の詳細は所轄の税務署におたずねください。所得金額により配当控除を利用できない場合もあります。


















 

申告分離課税

(上場株式等の譲渡損失との通算可)

総合課税

(配当控除の利用可)

平成23年まで

申告不要 税率:10%

累進課税

平成24年以降

申告不要 税率:20%

株式の税金早わかり読本 (PDF形式/1.80MB)

~~~以上、auカブコム証券のウェブサイトからの抜粋~~~

▼関連記事

株の配当金の受け取り方法が3種類になりました 【2009年1月より】

2010年分から特定口座で譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています

「配当・株主優待の権利取り最終日」についての解説

配当・株主優待に関するQ&A

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする