この記事は、以前、当サイトで配信した「2009年分から譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています」という記事の続編になります。
上記リンク先の記事では、「2009年分から、株の譲渡損失と配当金の損益通算が可能となった」とお伝えしました。
「株の売買で発生した損失」と「配当金で発生した利益」の損益を通算し、確定申告して税金を納めると、株取引で損失が出ている場合は、配当金によって発生した利益にかかる税金を減らすことが可能になりました。
さて、ここからが、この記事の本題です。
2010年分から、「源泉徴収ありの特定口座」において、譲渡損失と配当金の損益通算が可能となっています。
2009年分までは、譲渡損失と配当金の損益通算をするには確定申告が必須でした。
2010年分からは、証券会社に「源泉徴収ありの特定口座」の利用を申し込み、さらに配当金の受け取り方法で「株式数比例配分方式」を選択すると、特定口座において譲渡損失と配当金の損益通算が可能となります。この場合、損益通算をするのに確定申告は必須でなくなります。
特定口座を使った譲渡損失と配当金の損益通算については、岡三オンライン証券のウェブサイトにある説明が判りやすいものになっています。以下、岡三オンライン証券のウェブサイトからの抜粋です。
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岡三オンライン証券株式会社
源泉徴収あり口座の譲渡損失と配当金の損益通算について
平成22年より、「源泉徴収ありの特定口座」において、譲渡損失と配当金等(株式の配当金、投資信託の分配金)の損益通算が可能となりました。ただし、株式の配当金につきましては、配当金受領方法を権利確定日までに「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。
▼譲渡損失と配当金等の損益通算について
特定口座内の譲渡損失と配当金等の益金を損益通算し、源泉徴収を行います。損失が出ている場合は、超過徴収となった額を特定口座に自動的に還付する制度です。
例:100万円の譲渡損失があり、配当金を50万円受取った場合。
通常、配当金に対して、50万円×10%=5万円の源泉徴収が行われます。
新たに今回の制度を利用すると、譲渡損失100万円と損益通算をし、源泉徴収された配当金への課税額5万円が自動的に特定口座に還付されます。
▼ この制度をご利用いただくには
この制度をご利用いただくために必要な手続きはお客様の登録状況により異なります。
「源泉徴収ありの特定口座」での損益通算を希望しない場合
「源泉徴収ありの特定口座」を開設している場合でも、損益通算の対象としないことが可能です。希望される場合は、以下の手続きが必要となります。
株式の配当金のみ対象外とする場合
配当金受領方法を最初の権利確定日までに「株式数比例配分方式」以外に変更してください。
※投資信託の分配金のみを対象外とすることはできません。
損益通算を一切行わない場合
「源泉徴収選択口座内配当等受入終了届出書」を最初の支払いの確定する日までにご提出ください。
(当該書類をご提出される場合、株式の配当金等の受領方法を「株式数比例配分方式」以外の方法に変更する必要はありません。)
書類の送付はお電話で承りますので、ご本人様よりコールセンターへお問い合わせください。
~~~以上、岡三オンライン証券のウェブサイトからの抜粋~~~
「源泉徴収ありの特定口座」で譲渡損失と配当金の損益通算を行うと、確定申告をしなくてもよくなるので、個人投資家にとっては楽です。
来年分から特定口座で譲渡損失と配当金の損益通算を行いたいと思っている個人投資家は、なるべく早めに自分が利用している証券会社に「源泉徴収ありの特定口座」を申し込み、さらに配当金受領方法において「株式数比例配分方式」の利用を申し込んでおきましょう。
なお、「株式数比例配分方式」は配当金の受け取り方法の一種です。「株式数比例配分方式」とは、各証券会社の保有株式数に応じ、配当金が個人投資家の証券口座に入金される制度のことです。
例えば、同一銘柄をSBI証券に200株、楽天証券に100株を保有していた場合、配当金が生じたら、SBI証券の口座に200株分、楽天証券の口座に100株分の配当金が入金されます。
「株式数比例配分方式」について詳細を知りたい方は、下記リンク先の記事をクリックして下さい。
株の配当金の受け取り方法が3種類になっています 【2009年1月より】
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