ETNとは 【株式用語解説】

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  • ETN (読み:イーティーエヌ)
  • ETNの同義語 [ 指標連動証券、上場投資証券 ]
  • ETNの英語 [ Exchange Traded Note ]

祐作:先輩、ETNとはなんですか? ETFとは別物ですかね?

兜:ETFとETNは別物だよ。ETNとは「Exchange(取引所で) Traded(取引される) Note(債券)」の略で、信用力の高い金融機関が発行する上場債券のことだ。ETNは債権なんだけど、株式市場で取引できるという特徴がある。 またETNとETFは別商品だけど、共通する部分もある。今日はそのあたりを説明しよう。

祐作:はい。

兜:早速だけど、下記のETNとETFを比較した表を見てほしい。

▼ETNとETFを比較したもの

ETN
ETF
売買の仕方
ETNもETFも東証などの株式市場で売買が可能
税制上の取扱い

株式、ETF、ETNはどれも税率が同じ

・2011年から2013年の税率についてはこちら

倒産リスク

倒産リスクは高い。

ETNを発行した金融機関が破綻すると、ETNが紙くずになる可能性がある。

倒産リスクは低い。

通常、ETFは現物資産の裏付けがある。そして、その裏付け資産は分別保管されていることが多い。

ETFを発行した金融機関が破たんした場合は、他の運用会社に引き継がれるか、もしくはETFが繰上償還され個人投資家にお金が戻ってくる仕組みになっている

トラッキングエラー トラッキングエラーがない トラッキングエラーが発生する可能性あり
裏付け資産 裏付け資産なし 通常、裏付になる現物資産あり
組成できる商品 ETNは、裏付けとなる現物資産は保有しない。そのためETNは、希少資源、時間の経過とともに劣化してしまう農産物等のように現物資産の保有が困難な対象指標であっても組成可能 通常は裏付けとなる現物資産を保有する。そのためETNよりは組成できる商品が限られる。
ETN ETF

祐作:ETFがあるのに、なんで金融機関はETNを作ったんですかね?

兜:やはり、ETFと違って、いろんな指標(インデックス)を投資の対象にできるのが大きいな。

祐作:例えばどんなのです?

兜:2011年8月23日に東証に上場したiPath VIX中期先物指数連動受益証券【証券コード:2029】というETNがある。これは、以前、私が君に説明したVIX恐怖指数という指数を投資対象としたETNだ。

祐作:そういえば、そんな指数もありましたね。

兜:このVIX恐怖指数は、「トレーダーが、将来的に米国株の相場が急激に変動すると予想したときは、VIX指数が上昇。逆にトレーダーたちが将来的に相場が安定して、米国株の値動きが小さくなると予想したときは下落する」という指数だ。 こんな抽象的な指数に対して、現物資産の裏付けを作ることは不可能だ。となると、ETFでVIX恐怖指数を対象とした商品を作ることは難しい※。

祐作:なるほど。

兜:ところが、ETNは商品を組成するにあたって現物資産の裏付けが必要ないので、VIX恐怖指数を対象とした商品を作ることができるわけだ。

祐作:なるほど、ETNにも優れた部分があるわけですね。

兜:でも、短所もあるんだけどね。ETNは、裏付けとなる資産を必要としない、発行体の信用力を基にして発行される債券であるため、発行体である金融機関の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となる可能性があるよ。

あと、ETNは「指標連動証券」や「上場投資証券」と呼ばれることがあるから、覚えておくといいさ。

 ※「難しい」とか言いながら、実際にはVIXを対象とした国際のETF VIX短期先物指数【証券コード:1552】というETFがあります。。

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