アーム電子、民事再生法申請(倒産)で上場廃止

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8月23日、アーム電子【ジャスダック:6671】が東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表しました。

いわゆる倒産です。負債は62億円です。

これを受け、ジャスダック証券取引所を運営する大阪証券取引所は、アーム電子株を9月24日付で上場廃止にすると発表しました。

以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

010/08/23(月)

プリント配線基板設計、製造、アッセンブリ
ジャスダック上場
株式会社アーム電子
民事再生法の適用を申請

負債62億円

TDB企業コード:988336879

「東京」 ジャスダック上場の(株)アーム電子(資本金10億6647万円、八王子市叶谷町1055、代表佐藤雅美氏、従業員200名)は、8月23日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、監督命令を受けた。

   ~~~中略~~~

 しかし、同期において連結ベースでは減収を強いられ、3期連続の最終赤字に陥っていたうえ、2008年後半以降の急激な半導体市況の低迷を背景に、翌2009年5月期の年売上高は前期比29%減の29億2900万円に落ち込み、営業損失を計上、営業キャッシュフローも大幅なマイナスを余儀なくされていた。このため、金融機関に対して返済条件の変更を行い、同期の有価証券報告書において「継続企業の前提に関する注記」、いわゆるゴーイングコンサーンが記載されていた。

 こうしたなか、2010年2月に連結子会社における不正経理が判明し、過年度連結決算の修正を行ったものの、2010年5月期決算開示に至らなかった。対外信用も低下していたことで、受注の更なる落ち込みを招き資金繰りがひっ迫、自主再建を断念した。

 今後はスポンサーの募集・選定を行い、再生を目指す。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報でアーム電子の2010年5月期の第3四半期決算を見るに、アーム電子は総資産58億5200万円に対して、自己資本(株主持分)が1800万円しかありません。自己資本が少なすぎです。株主持分比率が0.3%という時点で、すでに買ってはいけない銘柄です。

有利子負債は44億円で総資産に対して大きめの数字になっています。しかも、利益剰余金は-20億円と大きくマイナスになっています。利益剰余金が大幅にマイナスになっている点も、買ってはいけない銘柄の典型例といえます。

営業キャッシュフローは2009年5月期の本決算で-4.5億円となっています。営業キャッシュフローがマイナスな点もよくありませんね。また、同時期の投資キャッシュフローは800万円のプラスとなっていました。

また、同時期の財務キャッシュフローは-1.59億円となっています。

財務が悪いので当然といえば当然ですが、継続企業の前提に関する重要な疑義が付いています。

アーム電子は2010年5月期の第3四半期決算が出た時点ですでに、「買ってはいけない銘柄」になっていたといえるでしょう。

なお、今年に入ってからの上場企業の倒産は、下記のようになっています。アーム電子が5社目となります。

▼2010年度 倒産上場企業の一覧

会社名 証券取引所と証券コード 倒産の形態 倒産時の負債 倒産の日付 (2010年) 上場廃止日 (2010年)
日本航空 東証1部 : 9205 会社更生

日本航空が約6715億7800万円

日本航空インターナショナルが約1兆5279億1900万円

ジャルキャピタルが約1226億8400万円

3社合計の負債は約2兆3221億8100万円

1月19日 2月20日
CRE(コマーシャル・アールイー) ジャスダック : 8866 民事再生 約150億円 5月6日 6月7日
プロパスト ジャスダック : 3236 民事再生 約554億 5月14日 未定
エフオーアイ 東証マザーズ : 6253 破産申請 約92億円 5月21日 6月15日
アーム電子 ジャスダック : 6671 民事再生 62億円 8月23日 9月24日

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