上場廃止銘柄を振り返る(2006年) 株式会社TTG編

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12月6日、(株)TTG (JASDAQ:1991)という会社の上場廃止が確定しました。有価証券報告書で架空の売り上げを計上するなどし、実際には債務超過だったのに純資産があったように見せかけるなど「虚偽記載」を行ったということでジャスダックがTTGに上場廃止の通告を出しました。

いわゆる粉飾決算というやつですね。TTGは2007年1月7日(予定)で上場廃止となります。

当サイトでは上場廃止銘柄が出ると、過去の業績を考察しています。それではいつものように会社四季報をめくってみることにします。

私の手元にある四季報は2006年秋号です。これにはTTGの粉飾がバレる前の業績が掲載されています。それでも業績は非常に悪い。粉飾決算してこれですか・・・。

純利益は過去4年間全て赤字、営業利益は過去4年間のうち3年間が赤字、前期の営業キャッシュフローは大きくマイナスとなっています。粉飾しててこれですからね、泣けます。

ちなみに利益剰余金は大幅なマイナスですし、そもそも「継続企業の前提に疑義の注記」が付いています。模範的な投資不適格銘柄といえるでしょう。四季報を見ていれば投資は避けられる銘柄です。

危険は避けられたという意味ではTTGはユニココーポレーションよりマシな銘柄だったと言えます。ユニココーポレーションの粉飾は本当にひどかった・・・

 関連記事 ユニココーポレーションの株価がストップ安 粉飾決算により上場廃止へ

【▼こんな株は買ってはいけない 上場廃止の怖れがある銘柄の見つけ方】

上場廃止株をつかまないためには、どういった点に気をつけて銘柄分析をすればいいのでしょうか。

私、4年以上株式投資をやっていますが、日頃から会社四季報などを見ていれば上場廃止株をつかむリスクはかなり減らせると思っています。上場廃止リスクを避けるためのポイントをピックアップしました↓

■気になる企業の決算書を見ましょう。決算書を見るのがしんどい方は会社四季報を見ましょう。

▼決算書(貸借対照表/損益計算書)や会社四季報で確認できる上場廃止の危険性

  • 利益剰余金がゼロに近い。もしくはマイナス。
  • 有利子負債が多い。総資産にせまるくらい多いと危険。
  • キャッシュフローがマイナス。特に営業キャッシュフローがマイナスなのはよろしくない。
  • 売上が年々落ちていっている。
  • 利益が年々落ちていっている。
  • 利益が赤字。特に営業利益が赤字なのはよろしくない。
  • 大株主が頻繁に変わっている
  • 時価総額の10%以上を越えるような増資を繰り返している
  • MSCBの発行がやたらと多い
  • 期中の監査法人変更
  • 社名がコロコロ変わっている
  • 継続企業の前提に疑義の注記がついている。(継続疑義とは、事業が継続するか疑わしいという意味です)
  • 上記の危険性を複数はらんでいるような銘柄は要注意です。

    ■会社四季報のデータを無料で見ることができるネット証券会社の一覧については、下記リンク先の記事をご覧下さい。

    会社四季報を無料で読むことができる証券会社

    ■ダイヤモンドZAiという雑誌の「最新理論株価&倒産確率データシート」というコーナーを見ておきましょう

    このコーナーは、クォンツリサーチ社、フィスコ社のデータをもとに、「割安な株を見つける」「安全な会社かどうかチェックする」という趣旨の記事になっています。

    それで、このコーナーの中に倒産確率が3%以上の株をリストアップした記事があります。

    倒産確率が3%以上の株のリストに上げられた銘柄は危険です。もちろん全部が上場廃止になるわけではありませんが、何割かは市場から姿を消していきます。

    ちなみに、2006年12月6日に上場廃止が確定したTTGですが、ダイヤモンドzai 2007年1月号に載っていた倒産確率は0%でした。業績が粉飾されていたので、クォンツリサーチ社やフィスコ社のデータではTTGの危険性は見抜けなかったようですね。しかし、粉飾がない銘柄に関してはこのZAiの記事は役に立つと思います。

     (※TTGは倒産したわけではありません。今のところ上場廃止になるだけです。)

    あと、素人の方は、いわゆるボロ株と呼ばれている銘柄には手を出さないのが無難だと思います。特に監理ポストに入っている銘柄は、いつ整理ポストにいく(つまり上場廃止)かわからないのでハイリスクです。

    株式投資で一番やってはいけないのは、倒産や上場廃止になる銘柄をつかむことなので、みなさん気をつけて下さい。私も気を付けます。

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