auカブコム証券は「kabu.comPTS」という私設取引システム(PTS)を運営しています。
auカブコム証券が2011年10月31日をもって、この「kabu.comPTS」の運営を終了すると発表しました。
「kabu.comPTS」はずっと赤字での運営だったので、auカブコム証券にとっては、終了もやむなしといったところでしょう。
以下、auカブコム証券のウェブサイトからの抜粋です。
2011年9月12日
私設取引システム(PTS)業務の終了について
auカブコム証券株式会社は、私設取引システム(以下、PTS。サービス名称:「kabu.comPTS」)運営業務を終了することを決定いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。
記
1.PTS業務終了の経緯
当社は2006年9月、国内で初めて金融商品取引所と同様の競売買(オークション)方式を採用したPTS業務の運営を開始しました。PTSは、東京証券取引所に代表される既存の金融商品取引所を補完する代替市場として、個人投資家への最良執行機会の提供や株式の流動性の拡大といった役割を期待されたものでした。当社のPTSは既存取引所の補完機能を果たすべく、当初は夜間取引に限定して業務を開始、その後、早朝から深夜までへの取引時間の拡大、小数点等の独自の呼値の刻みの提供、および高速取引を可能とするシステムの導入等、さまざまな施策に取り組んでまいりました。
しかしながら、業務運営開始以降、PTSを取り巻く環境は大きく変化し、2010年1月に稼働を開始した東京証券取引所の次世代売買システムarrowhead(アローヘッド)において取引執行スピードの高速化が図られるなど、日本において代替市場としてのPTSの意義は薄れてまいりました。また、当社PTSの取引金額は限定的な水準にとどまり、事業としては不採算の状態が続いておりました。以上の観点から検討を重ねてきた結果、このたびPTS業務を終了することといたしました。
約5年に亘るPTS業務の運営により、外資系証券等との高速な電子証券ネットワーク接続やSOR(スマートオーダールーティング)等の最良執行をベースとした自動売買の拡充、および当該業務を通じて構築した外資系証券等とのネットワークを基にしたレンディング(貸株取引)業務の拡大など、金融商品取引における取引執行競争の進展に対応した、ブローカーとしてのノウハウを蓄積できたものと考えております。今後はこれらのノウハウを活かし、売買システム基盤の更なる拡充や、機関投資家と同等な取引環境の個人投資家への提供など、当社の強みであるシステム基盤を活用した施策をおこなう所存です。
2.PTS業務終了の時期
2011年10月31日(予定)
3.当社業績に与える影響
PTS業務の終了により、関連するシステム資産の除却等が発生するため、当第2四半期において約2.6億円の特別損失を計上する見込みです。
現在PTSの運営コストは月額約0.6億円ですが、上記特別損失の計上をおこなうことに加え、償却期限の到来により関連するシステム資産の減価償却費の自然減もあることから、PTS業務の終了以降、当該コストは無くなります。これらにより本年度上期(2011年4月~9月)と比較して、下期(2011年10月~2012年3月)の営業利益を約3億円増加させる効果を見込んでおります。
なお、当社は業績予想を開示しておりませんが、当該事項に係る損失の確定額は、10月下旬に開示予定の第2四半期決算にてお知らせいたします。
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