中原圭介氏の著書「サブプライム後の新資産運用」について

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私がよく拝見している投資情報サイトに中原圭介の資産運用塾というブログあります。

ファイナンシャルプランナー(兼エコノミスト)の中原圭介氏が運営しているブログです。

中原氏の相場を先読みする力は傑出しています。サブプライムローンショックが起こる前からアメリカの住宅バブルがはじけることを予測していましたし、サブプライムローンショック後は、一貫して株式を保有することを避けるよう、読者に警告を発していました。

2008年6月に日経平均株価が14000円を回復し、一部の証券アナリストは楽観的な見通しを出していましたが、そのときでも中原氏は「FRBが金利を下げたことにより発生した金融相場に過ぎず、根本的な問題解決には至っていない」と主張。中原氏の予測どおり、その後、市場環境は不調となりました。

その中原氏が2008年7月末に発行した「サブプライム後の新資産運用」という書籍があります。今日は、その本の紹介をしたいと思います。

▼サブプライム後の新資産運用の問題提起

  • 経済学から生まれた金融工学は役に立たない。相場の先を見通すには、歴史学・哲学・心理学を学ぶことが有用
  • 投資信託を買い、「国際分散投資による長期資産運用」を行えば、将来的に儲かるというセオリーは、もはや通用しない。
     分散投資は世界同時株安の前では無力であり、長期投資で儲けるには世界経済が順調な成長を続けることが前提となる。だが、サブプライムショックでその前提は崩れた。
  • 日本は少子高齢化社会である。そのため、持続的な経済成長は期待できない。
  • ▼ならばどうするか?

  • 外貨預金と株式を組み合わせた資産運用を行う
  • 日本は持続的な経済成長は期待できないため、長期的な視点でみると円の価値が低下すると予想される。そのため、外貨投資の知識を身につけることが重要。
  • 毎月積立を行っていくような長期投資はやらない
  • 株式投資を行うときは相場の先を見通さなければならない。世界経済はアメリカの経済状況によってほぼ決まるので、アメリカの雇用統計とISM製造業景況指数はチェックしておくこと。また、日本経済については日銀短観と業況判断指数(DI)をチェックしておくこと。
  • 景気拡大期(インフレの前半)は株式投資の比重を高め、景気が悪くなっていくとき(中央銀行が金利を上げてインフレを抑えようとするとき)は株式の比重を減らす。
  • 景気拡大期では株式の比重を高め、外貨預金や現預金(円の預金)の比重を減らす。
  • 景気後退期では株式の保有をゼロにして、外貨預金と現預金の比率を5:5にする。
  • 外貨預金についてですが、中原氏がおすすめしている外貨預金のサービス提供者は、ソニー銀行とスンダードチャータード銀行です。

    ネット銀行の中では優良業者であるソニー銀行でさえ、為替手数料はFX業者に比べて高いので、私は外貨預金よりFXの方が投資先としては優れているのではないかと考えています。

    しかし、FXはレバレッジを効かせることができる(借金をして投機ができる)
    ため、中原氏はFXをすすめていません。原則として投資は「借金をしてするな」と述べています。

    ただ、中原氏はブログの中で、下記の文章をアップしています。

    読者からの質問

    【質問】
    貴著書ではFXをすすめていませんが、「くりっく365」でレバレッジを1倍にして、スワップ金利と為替差益を期待する方法はどうでしょうか。
    (同様の質問12件)

    ~~~中略~~~

    自制心がある投資家には、「くりっく365でレバレッジ1倍」という条件であれば、FXもおすすめできます。一番のメリットは、突然の解約でも金利が下がることがないことです。

    中原氏の本のよいところは、発刊後、読者に対してブログで書籍の内容のフォローをしてくれるところです。

    また、文章が簡潔で素人が読んでも理解できるにも関わらず、金融のプロが読んでも高い評価をするであろう濃い内容となっています。「簡潔かつ濃い内容」を両立できる作家さんは、まれな存在であり貴重だと思います。

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