キャッシュフローとは (株式用語解説)

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キャッシュフロー [読み:きゃっしゅふろー]

祐作:先輩、キャッシュフローってなんですか?

兜:ふむ、キャッシュフロー(Cash flow)とは、文字通り「資金の流れ」のことだな。企業の一定期間の「現金(キャッシュ)と現金同等物の流れ(フロー)」のことを指すぞ。

 (現金同等物とは取得日から3カ月以内に満期日または償還日が到来する短期的な資金のことをいい、普通預金、短期の定期預金、公社債投資などを指す。)

祐作:なぜ、投資家はキャッシュフローに注目するんでしょう?

兜:企業の現金の流れを把握しておいた方がいいからなあ。「黒字倒産」って言葉があるだろう。損益計算書では利益が出ているのに、現金が枯渇して倒産というやつだ。そんな事態を避けるためにも投資家は企業の現金の流れに注目するんだな。

祐作:なるほど、ではキャッシュフローについてもう少し詳しく教えてもらえますか?

兜:キャッシュフローの数字は会社四季報にものっているし、決算書にもキャッシュフロー計算書というものが必ずついている。キャッシュフローは3種類に分類されている。

▼3つのキャッシュフロー

営業キャッシュフロー:商品やサービスの販売といった営業活動から稼ぎ出した現金のこと。値がマイナスだと本業で儲かっていないといえるので問題あり。

投資キャッシュフロー:固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却、工場や店舗を建てるなどして増減した現金のこと。将来の利益を生み出すための投資を行うため通常はマイナス。

財務キャッシュフロー:借入金や社債の発行等で現金を得るとプラス。逆に借金の返済などを行った場合はマイナスとなる。

祐作:なるほど。

兜:この3つの組み合わせによっても企業の状態がみえてくる。例えば、

<良い例>
営業キャッシュフロー:+500
投資キャッシュフロー:-200
財務キャッシュフロー:-100
合計  :+100

<悪い例>
営業キャッシュフロー:-200
投資キャッシュフロー:-200
財務キャッシュフロー:+300
合計  :-100

兜:良い例だと、営業活動で生み出された現金の範囲内で設備投資などを行い、借金の返済にも充てていることがわかる。

祐作:なるほど。

兜:悪い例は、営業活動での不足分や設備投資を、借金や社債の発行を行うことでやりくりしていると解釈することができる。こうやってキャッシュフローを見ることで企業分析に役立てることができるんだ。

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