あおみ建設、会社更生法申請(倒産)で上場廃止

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

2月19日、総合建設業のあおみ建設 【東証1部:1889】が、東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、受理されたと発表しました。

いわゆる倒産です。負債は約396億円です。

これを受け、東京証券取引所はあおみ建設株を3月20日付で上場廃止にすると発表しました。

以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

総合建設業
東証1部上場
あおみ建設株式会社など3社
会社更生法の適用を申請
負債407億円

TDB企業コード:580080167

「東京」 あおみ建設(株)(資本金50億円、東京都港区海岸3-18-21、代表掛橋隆晴ほか1名、従業員668名)と関係会社のシンコー・テクノ(株)(大阪市)、(株)イワクラ(東京都港区)は、2月19日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日同地裁より保全命令を受けた。

~~~中略~~~

 こうした両社の業績悪化を受けて2008年4月に合併、同年7月からあおみ建設としてスタート。しかし、マンション市況の悪化が大きく影響し、1月23日には2009年3月期の業績下方修正を強いられていた。

海上・陸上土木、地盤改良へ資源集中する一方、民間建築事業の縮小(マンション建設事業からの撤退)、海外建設事業からの完全撤退などを骨子とした「中期経営計画」(2009年度~2011年度)を発表。

さらに、2月9日には2009年3月期の第3四半期決算単信および四半期報告書において継続企業の前提に関する注記をすることを決定するとともに、健康上の理由で代表(稲田氏)が辞任(3月1日付)することを発表するなど、動向が注目されていた。

こうしたなか、東証2部のマンションデベロッパー、ニチモ(株)(東京都)が2月13日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したことで、同社に工事債権等約33億2400万円の焦付きが発生。株価も大幅に下落するなか、急速に信用不安が拡大、金融機関からの支援も得られず、自主再建を断念した。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報であおみ建設の2008年3月期の決算を見るに、あおみ建設は総資産427億円に対して、自己資本(株主持分)が52億円しかありません。有利子負債は92億円で普通ですが、利益剰余金は6億円のマイナスになっています。

しかし、営業キャッシュフローが28億円のプラスになっているので、私は2008年3月期の決算を見ただけでは、あおみ建設が倒産するとは予測できませんでした。

帝国データバンクの記事にもあるように、2009年2月13日にニチモが東京地裁へ民事再生法の適用を申請したことで、33億円の債権の焦付きが発生したのが倒産の決め手になったようです。

なお、今年倒産した上場企業は、下記の8社です。

▼2009年度 倒産上場企業の一覧

会社名 証券取引所と証券コード 倒産の形態 倒産時の負債 倒産の日付 (2009年) 上場廃止日 (2009年)
東新住建 ジャスダック:1754 民事再生 430億円 1月9日 2月10日
クリード 東証1部:8888 会社更生 650億円 1月9日 2月10日
エス・イー・エス ジャスダック:6290 民事再生 142億円 1月16日 2月17日
サイバーファーム ヘラクレス:2377 破産 79億円 1月30日 2月17日
中道機械 (なかみちきかい) 札証:8094 民事再生 76億円 2月5日 3月6日
日本綜合地所 東証1部:8878 会社更生 1975億円 2月5日 3月6日
ニチモ 東証1部:8839 民事再生 757億円 2月13日 3月14日
小杉産業 東証2部:8146 破産 97億円 2月16日 3月3日
あおみ建設 ※ 東証1部:1889 会社更生 396億円 2月19日 3月20日

※をつけた会社は不動産関連企業or建設関連企業です。不動産関連企業の苦境はまだ続きそうです。

▼関連記事

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする