GMOクリック証券が 2016年10月17日から貸株サービスを開始する予定だと発表しました。
貸株サービスとは、個人投資家がGMOクリック証券で保有している現物株式をGMOクリック証券に貸出し、GMOクリック証券が貸株料をユーザーに支払うサービスです。
個人投資家は貸株サービスを利用することで、貸株料として現金がもらえるというメリットを得ます。
しかし、貸株サービスを利用すると「GMOクリック証券が倒産した場合、保有株式を失うリスクを負う」というデメリットが発生します。
通常、個人投資家が購入した株式は購入者本人の名義になっている上、証券会社は自社の資産とは分離して管理する義務があるので、仮に証券会社が破綻しても個人投資家の資産には影響がありません。
- 参考リンク – 分別管理と証券保管振替機構の関係
しかし貸株では、株の名義が証券会社に移っているため、貸株が証券会社の資産として見なされます。仮に証券会社が破綻した場合、貸株が債権者への補填として売却され、貸株サービスを利用していた個人投資家の元へ株券が戻ってこない可能性が出てきます。
参考として、以下、SBI証券のウェブサイトからの抜粋です。
▼貸株サービス ご注意事項
~~前略~~
●投資者保護基金の対象とはなりません
お客さまが貸出す株券は通常の保護預りとは異なり、証券会社が自社の資産とお客さまの資産を区別して管理する分別保管の対象とはなりません。したがいまして、当社が倒産した場合などに投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
以下、GMOクリック証券のウェブサイトにある発表文からの抜粋です。
GMOクリック証券
貸株サービスの特長
1 お持ちの株式を貸すだけで金利がもらえる!
貸株サービスは、お手持ちの株式を当社に貸すだけで金利がもらえる、いわば「株式版の銀行預金」のようなサービスです。
株の価格がもう少し戻ったら売却するのに…と思っているうちに時間が過ぎて「塩漬け」状態になっている株も貸し出すだけで金利がもらえます。日銀によるマイナス金利が導入されて、銀行預金の金利にも影響与えている昨今でも貸株金利は最低年利0.1%(年率)からとなっています。また、当社で取り扱いする株式のほぼすべての銘柄の貸株が可能です。
※株式には価格変動のリスクがございます。
2 信用口座をお持ちのお客様もサービス併用可能
他社では信用口座を開設していると、貸株サービスを利用できない場合がありますが、当社は信用口座を開設されているお客さまでも貸株サービスをご利用いただけます。
お持ちの株式を代用有価証券として信用取引を行うことも、貸株にして定期的に金利をもらうことも可能です。お客さまの投資のご意向に合わせて資金活用いただけます。
また、当社では預り金と信用保証金の一元管理を行っておりますので、代用から外す手間もなくそのまま貸株にすることができます。
主要ネット証券各社の貸株サービス信用口座有無対応状況
項目 当社 SBI 楽天 auカブコム証券(旧カブドットコム証券) 松井 マネックス証券 信用口座
開設済みの場合 ○ ○ ○ ○ × ×※2016年10月1日現在、各社ホームページを参照し当社作成。
3 貸株中いつでも売却が可能
貸株中の株式はいつでも売却が可能です。
わずらわしい貸株解除の手続きも必要ないため、売却のタイミングを逃すことはありません。
※売却した銘柄(口座区分ごと)については全数量が一度貸株から解除されます。信用口座開設済のお客様は再度貸株設定を行う必要がございますのでご注意ください。
4 株主優待自動取得サービスで株主優待もしっかり取得
株主優待自動取得サービスを利用すれば、貸株中の株式が自動で返却されるため、株主優待を逃すことはありません。手間いらずで、通常時は貸株金利を、優待獲得期間中は株主優待を受け取ることができます。
※株主優待に関する情報、権利付最終売買日は、東洋経済から提供を受けた情報を元に設定しております。優待優先が選択されている場合であっても提供を受けた株主優待に関する情報、権利付最終売買日等の情報の伝達遅延、誤謬又は欠陥により優待が取得できない場合がございますが、当社では責任を負いかねますので予めご了承願います。
※優待取得条件に、保有期間継続の条件がある銘柄については、株主優待が取得できない場合があります。
~~以上、GMOクリック証券のウェブサイトにある発表文からの抜粋~~
なお、ネット証券大手で、貸株サービスを提供している証券会社は、GMOクリック証券の他に下記の会社があります。
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