ダヴィンチの株価がS安 証券取引等監視委員会がダヴィンチセレクトの行政処分を行うよう勧告

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2月15日、ダヴィンチ・アドバイザーズの株価が前日比-20,000 (-13.61%)の終値127,000円と下落しました。ストップ安です。

2月14日に、証券取引等監視委員会(SESC)が金融庁に対し同社子会社でREIT運用のダヴィンチ・セレクトを行政処分するよう勧告したからです。

証券取引等監視委員会は、ダヴィンチ・セレクトがグループ内のファンドが保有する不動産を系列REITに割高な価格で取得させ、投資家の利益を損ねたと指摘しています(証券取引等監視委員会の発表文より)。

今日は、ダヴィンチ・アドバイザーズがストップ安となったことで、不動産流動化関連銘柄の株価が不調になりました。ダヴィンチショックといえるでしょう。

さらに、今日、内閣府が2006年10~12月期のGDPを発表したのですが、GDPは前期比プラス1.2%と事前予想の同0.9%を上回ったことで金利の上昇懸念が発生し、これも不動産関連銘柄の株価を押し下げました。

▼本日の不動産流動化関連銘柄の値動き

  1. アセット・マネジャーズ 前日比-17,000 (-6.77%) 終値234,000円
  2. ケネディクス 前日比-49,000 (-7.52%) 終値603,000円
  3. クリード 前日比-20,000 (-4.41%) 終値434,000円
  4. パシフィックマネジメント 前日比-21,000 (-7.81%) 終値248,000円

ちなみに、昨年6月、証券取引等監視委員会がオリックス・アセットマネジメントに対して、今回のダヴィンチの件と似たような勧告を行い、オリックスの株価が下落したことがありました。また、J-REIT市場全体が軟調になりオリックス・ショックと呼ばれました。

▼証券取引等監視委員会によるダヴィンチ・セレクトへの勧告の発表文

株式会社ダヴィンチ・セレクトに対する検査結果に基づく勧告について

平成19年2月14日 証券取引等監視委員会

————————————
1 .勧告の内容
 
証券取引等監視委員会は、株式会社ダヴィンチ・セレクト(東京都中央区、代表取締役 阿部 尚志、資本金2億円、役職員22名)を検査した結果、下記のとおり当該投資信託委託業者に法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

2 .事実関係
 
○  投資法人資産運用業に係る善管注意義務違反
 
株式会社ダヴィンチ・セレクトは、DAオフィス投資法人との間で締結した資産の運用に係る委託契約に基づき行っている当該投資法人の資産の運用において、当該資産に組み入れる不動産の取得時に行うべき資産の評価手続き等の際に、鑑定を依頼した不動産鑑定業者に対し適切な資料を提示しなかっただけでなく、適切な資料を提示しなかったことによって算定された鑑定評価の内容を確認しなかったことなどから、誤った鑑定評価内容が看過され、結果として過大に算定された鑑定評価額を基に投資法人の資産の取得を行うなどしていた。

 当社が当該投資法人に対して行った上記行為は、「投資法人に対し、善良な管理者の注意をもって当該投資法人の運用に係る業務を遂行しなければならない」ことを定めた投資信託及び投資法人に関する法律第34条の2第2項に違反するものと認められる。

(補足資料)
不動産の取得時に行うべき資産の評価手続きを適切に行っていなかった事例

○ 収入とすることができない敷金償却収入等の計上
投資法人の資産として取得を予定していた物件の前所有者が既に収受していた敷金償却収入(入居テナントから預託を受けた敷金のうち返還不要のもの)や投資法人の収入とならない自動販売機の設置料収入について、投資法人が物件を取得した後に当該収入があるかのように誤認させる情報を不動産鑑定業者に提示し、当該収入があるものとして見積もられた鑑定評価書のチェックを行わなかったことから、当該鑑定評価書において算定された鑑定評価額によって投資法人の資産として物件を取得していた。

○ 過大収入及び過少費用の計上
投資法人の資産として取得を予定していた物件において投資法人が収受することとなる水道光熱費や投資法人が支出することとなる建物維持管理費等について、当社が最新のデータを不動産鑑定業者に提示することを失念したことから、価格時点において算出されるべき数値と乖離した古い時点の実績値に基づいた数値によって計算され、当該鑑定評価書において算定された鑑定評価額によって投資法人の資産として物件を取得していた。

また、投資法人の資産として取得を予定した物件において、取得の前後において袖看板の設置箇所が減少することとなるにもかかわらず、当該事実を不動産鑑定業者に告げなかったことから、当該事実が反映されないまま当該物件の鑑定評価が行われ、当該鑑定評価書において算定された鑑定評価額によって投資法人の資産として物件を取得していた。

○ フリーレントを反映しない収入の過大計上
投資法人の資産として取得を予定していた物件において入居テナントとの間でフリーレント期間(物件所有者が入居テナントに付与する無賃料期間)がある旨を定めていたにもかかわらず、当社が当該事実を不動産鑑定業者に告げなかったことから、当該事実が反映されないまま当該物件の鑑定評価が行われ、当該鑑定評価書において算定された鑑定評価額によって投資法人の資産として物件を取得していた。

(注)上記はいずれも不動産の鑑定評価を依頼した業者に対する資料の提示等が適切に行われなかった事例であるが、実際の鑑定評価に当たっては、当社が提示した資料に基づいて算出した収益還元価格に加え、その他の方法によって算出した価格も踏まえて鑑定評価額が算定されるケースもあるため、最終的な鑑定評価額には影響を与えなかった例もある。

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