11月30日、auカブコム証券が逆指値注文をシステム上で処理することなどに関する特許を取得したと発表しました。日経新聞の記事によると「逆指し値は他のネット証券などでも取り扱っている。今後カブコムは個別に審査をしてライセンス料の支払いを求めていく方針。」ということです。
※逆指値について詳しく知りたい方は↓こちらのマネックス証券のウェブサイトの説明がわかりやすいのでご覧下さい。
逆指値・ツイン指値
仮にauカブコム証券(旧カブドットコム証券)が他社にライセンス料を請求するとなれば、逆指値が使える下記の証券会社の業績に影響を与えそうです。
▼株取引で逆指値が使える証券会社の一覧は、下記リンク先をご覧下さい。
ちなみに、auカブコム証券(旧カブドットコム証券)、マネックス、岩井コスモ証券は東証1部上場企業です。楽天証券は楽天の子会社であり、オリックス証券はオリックスの子会社です。
今回の特許取得は、auカブコム証券の株式を持っている投資家には朗報かもしれません。しかし、他の証券会社を使っている個人投資家にとっては嬉しくないニュースのように思います。以下、auカブコム証券のウェブサイトからの抜粋です。
auカブコム証券、自動発注システム(売買注文自動発注装置)の特許権を取得
自動売買(逆指値)関連の特許権取得のお知らせ
~「特許取得記念キャンペーン」を12月1日(金)から12月29日(金)まで実施~auカブコム証券株式会社は、当社の自動売買の注文形態である「逆指値」を実現するために用いている自動発注システム(売買注文自動発注装置)について、特許権(特許第3875206号)を取得いたしました。
これにともない、自動売買(逆指値)関連の特許権の取得を記念して、「特許取得記念キャンペーン」を、12月1日から12月29日まで実施いたします。■特許権の概要
【 特許第3875206号「売買注文自動発注装置及び売買注文の自動発注方法」 】
本件は、オンライン証券で用いられている一般的な株式の売買システムに対して、売買注文のステイタス管理を行うことにより「株価が~円になれば」といった売買注文を発注するタイミングを制御するための売買注文自動発注装置に関する特許権で、当社の逆指値注文をはじめとする自動売買を実現するための技術として用いられているものです。■当社の知的財産権についての考え方
当社は、開業当初より自社開発でオンライン取引システムを開発してきた我が国随一のオンライン証券会社であり、これまでにさまざまな新技術を活用した先駆的なサービスを提供してきております。当社のこのようなサービスは、お客様からの様々なご要望にお答えするために生まれたアイデアに、当社のシステム技術が融合することにより誕生したもので、新規性・実用性の観点から潜在的に価値の高い技術資産であると考えています。このような技術にかかる当社の無形資産については、特許権という形で企業の資産であることを明確化できるように特許出願を積極的に行い、企業価値の向上に結び付けていきたいと考えております。
なお、当社では「±指値」および「W指値」に関連する2件の特許を取得した他、「コールセンター間の通話中継方法」の特許に関して、三菱東京UFJ銀行と共同で特許の取得をしております。
これらの当社の知的財産に対する考え方や取組みを当社のお客様をはじめとする関係者の皆様に広くお伝えすべく、平成16年1月に経済産業省から公表された「知的財産情報開示指針」に準拠した「知的財産報告書」を作成し、当社ホームページの「IR情報」で毎年公表しています。■「特許取得記念キャンペーン」概要
・期間
2006年12月1日(金)~12月29日(金)・対象
期間中の逆指値注文による現物取引の手数料合計額が500円以上のお客様の中から抽選で100名様に5,000円をプレゼントします。
(夜間取引市場「kabu.comPTS」市場のみなやかんキャンペーン適用の注文については本特許取得記念キャンペーンから除外します。)※ 抽選の参加についてのお申し込みは特に必要ありません。
※ プレゼントの金額は、キャンペーン期間終了後に厳正な抽選のうえ、お客様の取引口座に入金いたします。
※ 抽選結果の発表は、当社取引口座への入金をもって発表とかえさせていただきます。
※ 当キャンペーンに当選された方は、当社の実施する他のキャンペーンに参加できない場合があります。<ご参考>auカブコム証券の自動売買
株式投資をもっと便利に、より安心してお取引いただくために、下記のように多彩な「自動売買」による注文方式を可能にしております。
また、本年12月には新しい「自動売買」機能の提供を予定しております。auカブコム証券の「リスク管理追求型」サービスを代表する「自動売買」機能を更に充実させ、リスクを上手にコントロールしながら利益を伸ばせる仕組みの提供を行って参ります。●逆指値【関連特許として「特許第3875206号」を今回取得】
株価が売買注文時から「指定の価格まで下落したら売り」「指定の価格まで上昇したら買い」とする注文形態。ロスカット、トレンドフォロー等、損失の拡大を防ぎ、流れに乗って利益を伸ばすために役立つ注文形態です。●W指値(R) 【関連特許として「特許第3754009号」を取得済み】
売買注文の際に、時価の上下で指値+逆指値が設定できる注文形態。たとえば利益確定の指値注文と同時に逆指値でのロスカット注文も合わせて設定できます。●±指値(プラマイさしね(R)) 【関連特許として特許第3734168号を取得済み】
「始値・終値・約定価格」といった発注時点ではまだ確定していない価格を基準とした注文が出せる注文形態。当日の始値から相対価額を求める「始値±指値」、前日の終値から相対価額を求める「終値±指値」、Uターン注文とセットで発注し、Uターン注文元の約定単価より求める「約定単価±指値」の3種類の発注が可能です。●リレー注文(R)
A株が売却できたら、B株の買付を発注予約するといった注文形態。市場の値動きを常にウォッチする必要なく、お忙しい方でも銘柄乗り換えが簡単に可能です。●Uターン注文(R) 【関連特許として「特許第3754009 号」を取得済み】
買い注文と同時にその銘柄の売り注文を同時に予約するといった注文形態。買い注文の発注と同時に、その銘柄の売り注文まで予約が可能です。●バスケット注文(一括発注)
複数の注文をあらかじめ登録し、任意のタイミングでまとめて発注をおこなう注文形態。あらかじめ注文登録をしておくことによりスムーズな発注が可能となります。以上
一個人投資家の立場としては、auカブコム証券(旧カブドットコム証券)が他社にライセンス料を請求する事態にはなってほしくないものです。そのライセンス料をエンドユーザーに転嫁するため手数料を値上げという状況は考えたくありません。